成田山巡礼記① よう!また会ったな!成田!
秋学期の期末テストがようやく終わったので(?)、オレは日暮里にいた。去年行きそびれた成田に行くためである。東京都民のくせに(?)、京成電鉄に乗ったことがない。だから日暮里の京成電鉄ホームに上ったとたんオロオロしてしまった。おかしい、スカイライナーのホームじゃないはずなのにスカイライナーが停車している。おかしい、というか線路が一本しかない。じゃあ上りと下りはどう区別してるんだ?これ乗り場合ってる?意味の分からないホームの構造を前にしてオレのオロオロメーターは天元突破して銀河を突き抜けていた。そんなオレの前に同じくらいオロオロした中東男性が立ちふさがる。青砥に行きたいらしく、日本語で行きかたを訪ねてきた、が、明らかに人選ミスである。オロオロが2人増えたところで所詮オロオロはオロオロである。文殊の知恵にはならない。オロオロ語で「スミマセン、オレ、ワカラナイ・・・」というと、察したらしく何処へ立ち去って行った。
本当にわからない。
とりあえずスマホの乗り換えアプリで時間を調べて、とりあえず同じ時間に来た電車に乗ったら無事成田に着いた。
成田はいい。なんてったって日本酒の酒蔵が二つもあるそうじゃあないか。おいしそうな匂いが表参道に立ち込めている。さっそく「金時の甘太郎焼き」なる店を見つけたので寄っていくことにした。今川焼を売っているらしい。赤(小豆)と白(白いんげん?甘藷?)の二種類の具が選べる。とりあえず赤を頼んで白は帰り道に食べようと思う。では実食。アツアツの生地はとてもモチモチしていて食べ心地が良い。そこに小豆とのマリアージュである。美味くないわけがない。ちなみに帰りに白も食べた。めちゃめちゃ甘いのだが、こちらも生地とマッチしていて、そこまで甘ったるいとは思わなかった。
表参道は大きくグネグネと蛇行していて、まっすぐと見通せるわけではない。参道というものは鶴岡八幡宮のようにまっすぐ伸びていて、一の鳥居から二の鳥居まで見通せるものだと思っていたが、成田は違う。おまけに途中からものすごい下り坂になる。お寺は丘の上にあるもんじゃないのか。下にあっていいのか?まあいいか!!よろしくなあ!
成田はウナギが名物らしく、いくつかウナギ料理の店がある。その中でも川豊という店は人気店だそうで、大盛況であった。店をのぞくと、客がぎゅうぎゅうと詰め込まれていて整理券を配っている有様である。もちろん時間的余裕も金銭的余裕もないのでここはパスである。新勝寺総門に向かう坂の中腹に店を構え、堂々たる建築だ。この坂には大きくて立派な店が多い。坂の上から見下ろすと、それはもう圧巻である。一度訪れてみてはいかがだろうか。
そのまま下っていくと、新勝寺の総門に着いてしまいそうだった。金はないけど何としてもウナギを食べたいオレは、目ざとくウナギ串を売っている店を見つけた。総門付近の食べ歩き用の店である。ウナギの身だけでなく肝も売っていたのでそれも食べた。とてもうまい。
いよいよ新勝寺の中に入ろうではないか。堂々たる総門がオレの期待を膨らませる。成田空港が近いので、やはり外国人が多い。空港の近くにこんな立派なお寺があるのは彼らとしても幸運だろう。それはそれとして結構なのだが、境内の池がトレビの泉と化しているのは少し閉口せざるを得ない。いや、願掛けという意味では間違っていない、のか?
石段を上り、見えてくるのは巨大な伽藍建築である。大本堂は横に広いので、猶更大きく見える。早速お賽銭を入れると、どうやら中で法事をやっているらしいことに気が付いた。自由に入れるようだったので入ろうとしたが、あまりにも人が多くて足の踏み場がなかったので断念した。
大本堂を出て、どうやら奥の院があるらしいのでそこまで行ってみようと思う。大本堂の裏に回ると中々立派な階段が!おまけにelevator付きである。どんだけ金あるんだ、恐るべし新勝寺。階段を上りきると額堂なる建物がある。立派で古めかしい東屋といった見た目の建物である。昔から新勝寺に詣でた人々が寄進した額やら置物やらが収めてあって、大昔の成田屋市川團十郎の名前が入った額を見ることができる。長野の善光寺に行った時も、似たような額を見たことがあるが、こちらの方が年季が入っていてより風情がある感じに見える。額堂の奥には奥の院の光明堂がある。大日如来、不動明王、愛染明王が祀られていて、比較的小さい建物だが屋内はどことなく風情が感じられ、存在感がある。あとすげー数の日本酒が奉納されてた。じゅるり。